わが家の予算に、某ハウスメーカーも「この予算じゃ無理ですね」と失笑。 それでも二世帯住宅、建ちました。
二世帯住宅の平均建築費は3,000万~4,000万ほどだそう(二世帯住宅の相場と建築の流れ)。
そこを2,200万弱で建てることができました。 完全分離型の二世帯としてはかなり安い部類です。
この記事では二世帯住宅を安く建てるコツ、コスト削減方法をお伝えします。
とにかく値引き・とにかく安く…ではありません。ポイントをしぼればグレードも上げられます。
ハウスメーカー選び、建築費、入居後のランニングコスト、税金・補助金や住宅ローンまで。総まとめとして書きましたので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
↓土地の買い方、土地に関わる費用についてはこちら
ハウスメーカーの探し方
ローコストから大手まで、幅広く相談する
一般的に「工務店<ローコストメーカー<大手ハウスメーカー」の順に安いです。建築士さんは設計料によります。
とにかく、いろいろな会社からプランを出してもらいましょう。
建築費用を下げるには何軒も比較すること。安くできる理由、高くなる理由がわかれば納得して選べます。
なかでも大手ハウスメーカーにはぜひ相談してください。営業さんの話を吸収するためです。
できれば1社か2社、大手の丁寧な営業さんに出会いたいですね。
ベテラン営業さんはプロです。資金計画・プランの立て方をよく理解しています。そして有能営業マンはキャリアを買われ、たいてい大手ハウスメーカーにいます。
有能営業マンは現実的なプランをわかりやすく提案してくれるので、契約しないとしても勉強になります。納得できる説明をしてくれる存在は貴重!そのためにも複数のメーカーの話を聞くことが大事です。
大手は手が出ないから…と遠慮しがちですが、非常にもったいないです。
ぜひ地元密着から大手まで、いろんな会社に相談してください。思わぬアイデア・反応をもらえるでしょう。比べるうちにあなたの知識も充実してきます。
相談先に迷ったら↓このハウスメーカーがおすすめです。※坪単価はマイホーム大全2019を参考にしています
ハウスメーカー | 坪単価目安 | 工法 | 備考 |
---|---|---|---|
タマホーム | 約35~45万円 | 木造在来 | 国産木材 |
住友不動産 | - | 木質パネル、2x4、2x6 | 二世帯推し |
ミサワホーム | 約75万円 | 木質パネル | 二世帯推し |
積水ハウス | 約91万円 | 鉄骨、木造(シャーウッド) | 販売戸数トップ |
住友林業 | 約98万円 | 木造在来 | 自社保有林あり |
「予算これくらいで二世帯住宅を建てたいんですが…」 「設備や材料のグレードしだいで安くできますか?」
一番は住宅展示場に直接行くこと。 メーカーの雰囲気もつかめるし、建材のサンプルを見せてもらえたりも。
住宅展示場に行けなかったり、展示場に希望のハウスメーカーがなければ一括相談サイトも便利です。
参考:タウンライフ家づくり 無料で資料請求・資金計画・間取り作成などを相談できるサービスです。
ハウスメーカーを利用してやるくらいの気持ちでいきましょう!
うちも大手S社の営業さんに資金計画の立て方を丁寧に教えてもらって非常に助かりました。
そのときはいい土地がなく契約には至りませんでしたが…
在来工法・ツーバイフォーが低コスト
施工方法によっても費用に差が出ます。
在来工法(木造軸組工法)、ツーバイフォー工法(木造枠組壁構法)が安価です。若干在来工法のほうが安いかも。
木材を大量仕入れ・工場加工して現場で組むので価格が抑えられます。
在来とツーバイはどっちもどっち。
工務店では在来工法、ハウスメーカーはツーバイのシェアが大きいです。
建築費の節約
二世帯住宅は設備や小物が2倍あるので節約効果も大きいです
延べ床面積、部屋数を少なく
延べ床面積が少なければ内装・外装材が減らせます。量が減ればお金がかからない、単純です。
坪単価で計算するのも大きさが重要だから。何坪で何千万、なんてパッケージ型の住宅プランもありますね。
間取りもシンプルイズベスト。複雑な構造にすると壁や建具が増えてコストが上がります。
コンパクトな間取りにするのがポイントです!
ドア・窓の見直し
意外と節約できるのがドアと窓。一つあたり数千〜万単位で変わります。
- 部屋数を絞ればドア、窓ともに削減。
- 大きい窓より小さい窓、凝ったデザインより引違いが安い。
- クローゼットの扉をあえて外す。
大きな窓がいらないトイレや洗面室などは節約ポイントです。 クローゼット扉は外すと空間が広く見える・使える効果もあります。仕切りたいなら布を吊るしたりロールスクリーンを付けても。
| FIX(はめ殺し)窓36x50 | 15,600円 | | 上げ下げ窓36x70 | 30,770円 | | 引き違い窓69x90 | 32,860円 | | 引き違い窓114x90 | 48,030円 | | 引き違い窓160x200 | 119,930円 |
↑はわが家に採用されている窓です。大きさや種類で金額が変わるのがわかります。
住宅設備のグレード
キッチンやトイレ、お風呂などを住宅設備(住設)といいます。
住設、上を見たらキリがないです。キッチンなんて高ければ100万超、安ければ20万~。
キッチンは料理ができればいい。センサーの水栓はオシャレだけど絶対? お風呂は気持ちよく入れればいい。マイクロバブルって素敵だけど必要?
多機能ということは、メンテナンスが大変かも。生活で絶対に必要なところだけを残して、どうしてもほしい!という機能だけをつければいいのです。
- キッチン:水栓、カウンタートップ素材、換気扇、食洗機、吊戸棚、食器棚
- トイレ:タンクの有無、洗浄機能
- お風呂:浴槽素材、床材、水栓、シャワー、照明、浴室暖房乾燥機
最低限必要な機能までグレードダウン。
結局シンプルが一番使いやすかったりします。必要ならあとから自分でカスタマイズしてもいい。
施主支給(せしゅしきゅう)
施主(あなた)が住宅設備を購入、現場に支給します。
ネット通販で安く手に入る設備もあり、かなり節約できます。ハウスメーカーのカタログにない、自分好みの設備を入れたいときにも使える手です。
キッチンやトイレ、給湯器などの大型設備からドアや窓といった建具。床材を施主支給するかたもいます。
ただし、施主支給を受け付けてくれないハウスメーカーも。利益にならない上に、もし寸法・数の違いや施行日に間に合わなかったりすると支障が出るからです。
あらかじめハウスメーカーに相談しましょう。モノによってはハウスメーカーのカタログ品のほうが安い場合もあります。
※通販サイトの定番は住設ドットコム。トイレ、キッチン、給湯器、お風呂など多数取り扱っています。オプションで取付工事も頼めます。
ハウスメーカーのカタログにない、自分好みの設備を入れたいときにも使える手です。
DIY・自分で買う
施主支給ほど大がかりなことはできないけど…という人におすすめなのがDIY。
取付けが簡単なものはあえてハウスメーカーには頼まず、家の引き渡し後に自分で購入・取付けをします。
- トイレットペーパーホルダー、タオルリング
- ホスクリーン(物干し金具)
- カーテンレール
- テレビ用壁掛け金具
- 収納棚、パイプ
- ポスト
- 表札
など、設計段階で「自分でできそう」と思ったらDIYする。
モノは通販で手に入りますし、ほとんどのものはインパクトドライバーと水平器があれば設置できるので、ぜひ。※初心者向け・DIYに必要な工具紹介記事
カーテンや照明、エアコンは付帯工事として入れてくれますが、自分で用意したほうが安いです。
通販サイトはカーテンなら「クーカンネットショップ」、小物は楽天市場で検索がおすすめです。
ランニングコストの節約
長い目で見た費用を重視した話です
一時的に建築費がかかっても、光熱費や維持費を抑えられたら結果的に得。
快適だし「今月電気代高いんじゃない?」みたいなことにもならない。初期投資として見逃せないポイントです。
断熱、気密性、調湿性
断熱:熱を通さない。気密:空気を通さない。調湿:湿度を調節する。
言わずもがな、高断熱・高気密な家は光熱費がうきます。
熱を逃しにくいので暖かさ涼しさを保ってくれる。 調湿性が高いと家が長持ちするし、過ごしやすくなります。乾燥しすぎ・湿気すぎを避けるんです。
断熱性・気密性
- 床・壁の厚さ:厚いほど性能UP
- 断熱材の素材と厚さ:グラスウール、発泡ポリスチレン、セルロースファイバーなど。厚みによって大きく差が出るので一概に種類の良し悪しは言えず。
- 窓の大きさ:窓が小さいほど断熱。冬は全体の熱の58%が窓から出て、夏は73%の熱が入る。(参考:日本建材・住宅設備産業会)
- 窓ガラスとサッシの素材:複層ガラス、アルゴンガス充填、樹脂・木製サッシ
熱伝導率の低い素材、厚みによって断熱性が増します。 「Q値(熱損失係数)」が少ないほど断熱性能が高い家。Q値などの数値を公開しているハウスメーカーも。
個人的にはキッチンやリビングの窓は大きさを保ち、浴室やトイレを小さくすることをおすすめします。長時間過ごす空間は太陽の明るさが欲しいです。
気密性 気密性は部材の正確さ・透湿防水シートや気密テープなどで高くなります。「C値(相当隙間面積)」の数値が少ないほど気密性が高いです。
材料や大工さんの腕にかかってるのでなんとも難しい。後に紹介するZEH(ゼッチ)の家ならある程度気密性が担保されると思っていいでしょう。
調湿性
- 無垢材:構造材、フローリング、ドアなどの建材
- 珪藻土、漆喰:壁材など
調湿性のある材料はどれも自然素材。多湿なら湿気を吸い、乾燥していれば湿気を出して湿度調整してくれます。
合板などの接着した木材や壁紙ではうまくいきません。
高断熱高気密にするほど建築費はかさみます。
材料費もありますからね…
ZEHで光熱費削減
ZEH(ネットゼロエネルギーハウス)。国が増やそうとしている省エネハウスのこと。
断熱気密+太陽光発電で、エネルギーを自前で作る。エネルギー0もしくはマイナスを指針としています。(光熱費が0になるという意味ではないのですが)
ZEHと認められるには認定ハウスメーカーでの施工、消費量・発電量をモニターする機器の設置が必要、窓やドアの数やサイズに制限がある…など。
条件つきではあるものの、ZEHはエコハウスとして非常に有効です。
上の画像は住友林業。は20年間で718万円の売電収入になると試算しています。
この数字はあくまで参考程度ですが、限りなく光熱費が削減できると考えられます。
ハウスメーカーを検討する際、ZEHについて尋ねるといいでしょう。光熱費が増える二世帯住宅にZEHはありがたいです。
修繕費対策(屋根、外壁)
長寿命なら修繕費・リフォーム代に泣きません。
- 屋根:一般的にコロニアル(スレート葺き)の耐用年数は20~30年、瓦は50年以上。ただし屋根材の下に敷く防水シートの寿命が15~20年なのでどちらにしてもメンテナンスは必要。
- 外壁:レンガ・タイル>サイディング>?塗り壁の順に耐久性が高い。
どんな材料でもメンテナンスは必要。 材料自体の耐用年数、メンテナンス周期、メンテナンス費用を考えて選ぶ必要があります。
長い目で見れば瓦屋根・外壁はレンガかタイルがおすすめ。ただし重くなるのでソーラーパネルを乗せられるかなどの相談が必要になることも。
もらえる補助金
誰でも受け取れる「すまい給付金」
家の性能によって受け取れる「長期優良住宅」「ZEH」「LCCM」の給付金があります。
すまい給付金
要件を満たしていれば誰でも申請できます
8%、10%の消費増税を受けてつくられた制度。 一定の要件を満たしていれば10~30万円(消費税10%なら50万まで)の給付金が受け取れます。
おもな要件:所得上限、床面積50㎡以上、第三者機関の検査証明(住宅瑕疵担保責任保険の加入や建設住宅性能表示の証明など)。
長期優良住宅の補助金
地元の工務店で長期優良住宅を建てるときの補助金です
金額
最大110万円、地域の木材を使うと+~20万、三世代同居(玄関、キッチン、トイレ等を2つ以上設置。二世帯住宅とも言える)の要件を満たすと+~30万など。
国の財源がもとなので、予算が尽きたらその年度は受付終了になります。
条件
事業グループに入っている企業で建てること、設計や施工管理、大工さんのうちに技術講習を受けた人がいること、定められた木材を構造に使うことなど。
「地域型住宅グリーン化事業」として地域の中小工務店・地域の木材で、省エネ長寿命な家を建てようという目的があります。そのため補助対象はちょっと狭いです。
上の検索サイトで実績のある企業が調べられます。なお、補助金の受取りは工務店になるため施主にとっては「建築費の節約」という感覚に近いかもしれません。
ZEHの補助金
ZEH補助金は複雑なので、詳細はハウスメーカーに聞きましょう
画像は経済産業省資源エネルギー庁より。
ZEH住宅は全部で4種類の補助金制度があります。
- ①地域型住宅グリーン化事業(国土交通省)
- ②ZEH等による低炭素化促進事業(環境省)
- ③戸建て分譲ZEH実証事業(経済産業省)
- ④ZEH+実証事業(経済産業省)
③は建売住宅用なので注文住宅は対象外。 注文住宅でZEH住宅を建てたときは「①国土交通省の地域型住宅グリーン化事業」「②環境省のZEH等による低炭素化促進事業補助金もしくは④経産省のZEH+実証事業補助金」の2つが対象となります。
すべて国の予算が尽きたら終了となるため、実施状況に注意です。
①地域型住宅グリーン化事業
金額
最大140万円。受取は施工会社。
加算:主要構造材の多くに地域材を使うと+~20万、三世代同居(玄関、キッチン、トイレ等を2つ以上設置。二世帯住宅とも言える)の要件を満たすと+~30万など。
条件
設計や施工管理、大工さんのうちに技術講習を受けた人がいること、定められた木材を構造に使うこと、年間エネルギー消費量が概ねゼロになること、強化外皮基準(外皮平均熱貫流率:UA値。低いほど断熱性能が高い)が一定以下になることなど。
②ZEH等による低炭素化促進事業、③戸建て分譲ZEH実証事業
②ZEH等による低炭素化促進事業…注文住宅 ③戸建て分譲ZEH実証事業…建売住宅 のため、②の注文住宅に関わる補助金について触れます。
金額
定額70万円、蓄電池3万円/kWh(上限30万かつ補助対象経費の1/3)
加算あり:規定の材料を一定以上使う、または先進的な再エネ熱利用技術を活用する場合上限90万円を加算。
条件
エネルギー消費量が省エネ基準-20%。強化外皮基準(外皮平均熱貫流率=UA値。低いほど断熱性能が高い)が一定以下、太陽光発電などでほぼゼロエネルギーになる、など。
ZEH+実証事業
金額
定額115万円、蓄電池3万円/kWh(上限45万かつ補助対象経費の1/3)
②ZEH等による低炭素化促進事業の加算を併用できる。
条件
通常のZEHよりもパワーアップしている家(ZEH+:ゼッチプラス)が対象。
エネルギー消費量が省エネ基準-25%。強化外皮基準(外皮平均熱貫流率=UA値。低いほど断熱性能が高い)が一定以下、太陽光発電などでほぼゼロエネルギーになる、HEMS(エネルギー使用量のモニター)設置など。
どれもハウスメーカーが対応していないと申請できません。契約前に補助金の有無や金額を確認しておきましょう!。
サステナブル建築物等先導事業の補助金
ZEHの上位バージョンみたいなもの
建設・廃棄時のCO2(二酸化炭素)排出量も減らそうというもの。
「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅」、「一般部門(戸建住宅)」として補助金制度があります。
金額
LCCM住宅:最大125万円かつ、かかり増し費用の1/2以内 一般部門(戸建住宅):最大300万円かつ、かかり増し費用の1/2以内
条件
エネルギー消費量が省エネ基準-20%。強化外皮基準(外皮平均熱貫流率=UA値。低いほど断熱性能が高い)が一定以下、太陽光発電などでほぼゼロエネルギーになる、建物の一貫した二酸化炭素排出量(LCCO2)評価が0以下、CASBEE(環境性能の評価)がB+以上もしくは長期優良住宅認定など。
事前にハウスメーカーが応募し、国の審査をパスする必要があります。LCCM住宅は実績のあるハウスメーカーが増えていますが、一般部門はあまり浸透していないようです。確認したところ、三井ホームが一般部門の補助金対象を先着100棟限定で受付ると発表していました。
三井ホーム株式会社(本社:東京都新宿区、社長:市川俊英)は、この度、国土交通省が募集する「平成29年度サステナブル建築物等先導事業(次世代住宅型)」に、『温湿度バリアフリーで「健康・安心・らくらく」ホームプロジェクト』を提案したところ、「家事負担の軽減、時間短縮」のテーマにて採択されました。
これを見る限り、住宅提案を出して採択されれば「一般部門」として300万円の補助対象になると考えられます。かなりレア?ですかね、ZEHかLCCMのほうが現実的かも。
補助金はかなり複雑…。キーワードは長期優良住宅・ZEH・LCCM。国の方針として省エネな家に補助をするので、気になったらハウスメーカーに補助金の有無や受付状況を聞きましょう。
ZEH住宅、LCCM住宅でも長期優良住宅の認定を受けることは可能ですが、長期優良住宅とZEHの補助金は同時には受けられません。
税金の減税措置
贈与税、住宅ローン減税、固定資産税(都市計画税)について解説します。
贈与税:住宅取得等資金贈与の特例
二世帯住宅に贈与税の非課税申告はつきもの!
おじいさんおばあさん、ご両親からお金をもらうなら贈与税を気にしましょう。
ふつう、110万円/年を超えるお金をわたすと贈与税がかかります。 が、贈与が家のための建築費・土地代なら特例で非課税になるのです。
特例を受けるには確定申告が必要です。贈与税の申告書、戸籍謄本、登記事項証明書、土地売買・工事請負契約書の写しなどを添付します。※国税庁 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税より
贈与税の非課税限度額 非課税になる贈与額には限度があります。 いつ新築の工事契約をしたか、建物の省エネ性能(住宅性能証明書または長期優良住宅認定書が必要)によって上限が変わります。
消費増税の影響もあり、おそらく2019年10月以降は消費税10%ですから下の表になりますね。
消費税8%のとき
新築等の契約日 | 省エネ等住宅 | 一般の住宅 |
---|---|---|
2016/1/1~2020/3/31 | 1,200万円 | 700万円 |
2020/4/1~2021/3/31 | 1,000万円 | 500万円 |
2021/4/1~2021/12/31 | 800万円 | 300万円 |
消費税10%のとき
新築等の契約日 | 省エネ等住宅 | 一般の住宅 |
---|---|---|
2019/4/1~2020/3/31 | 3,000万円 | 2,500万円 |
2020/4/1~2021/3/31 | 1,500万円 | 1,000万円 |
2021/4/1~2021/12/31 | 1,200万円 | 700万円 |
※対象になるのは直系親族からの贈与だけです。(自分の両親、自分の祖父母はOK。配偶者の親族は×) ※その他要件として20歳以上、所得2,000万以下、贈与を受けた翌年の3/15までに全額を新築にあてること、などがあります。
特例の申告をしなければ贈与額-110万のうち、10%~55%が課税されてしまいます。1,000万の贈与なら177万円も!絶対見逃したくない制度。
申告しなけりゃバレない? いやいや、税務署は大きなお金が動けばわかります。延滞税がかかったらもっと悲惨です。真面目が一番。
所得税・住民税:住宅ローン減税
住宅ローンを払っている人は所得税・住民税が安くなる制度です。
10年間、住宅ローン残高の1%(上限あり)が税額から控除されます。 3,000万のローン残高なら30万。所得税で引ききれない分は住民税で引かれます。
申請方法は確定申告。給与所得者(サラリーマン)の人は最初の1回だけ確定申告、翌年以降は年末調整でOK。住宅ローンの明細書、残高証明書、登記事項証明書、工事請負契約書などを申告の際に提出します。
通常は最大控除額はは400万円(住宅ローン4,000万円分)ですが、長期優良住宅は500万円まで控除できます。
消費税10%増税にともなって、2019/10/1~2020/12/31に入居した場合は適用期間が10年→13年に延長になります。※国土交通省 マイホーム購入をお考えの皆様へ、住宅ローン減税の控除期間が3年間延長されます!
固定資産税・都市計画税の軽減
固定資産税・都市計画税の軽減措置は2種類。 「土地の特例」と「家屋の特例」です。
なお、都市計画税は市街化区域内に土地家屋を持っているとかかる税金です。
土地の特例
土地に建物があると税金が安くなる、というアレ。
更地は税金が高くなるので、古家が取り壊されず問題になったりしてますね。
固定資産税は土地の評価額から課税標準額を出します。この特例は「評価額」を割り引いて計算してくれます。 土地を「小規模住宅用地」「一般住宅用地」に分類して計算します。
- 小規模住宅用地:200㎡以下の土地(200㎡を超える場合は住宅1戸あたり200㎡まで)
- 一般住宅用地:200㎡以上の土地
たとえば300㎡の土地に家を建てた場合、200㎡までは小規模住宅用地として。残り100㎡は住宅用地として見ます。
- | 固定資産税 | 都市計画税 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 評価額×1/6 | 評価額×1/3 |
一般住宅用地 | 評価額×1/3 | 評価額×2/3 |
家を建てたら「住宅用地の申告書」をお住まいの自治体の固定資産税担当課へ提出しましょう。自治体によって取扱いが違う場合もあるので、一度担当課へ問い合わせると安心です。
家屋の特例
新築住宅は税額が安くなります
新築住宅の固定資産税が3年間半額になります。 ※3階建て以上の中高層耐火・準耐火建築物は5年間
一戸建てなら床面積が50㎡~280㎡なら適用されます。ガレージなど家に付属する建物も含まれます。
長期優良住宅はもっとお得! 床面積120㎡までが5年間(中高層耐火・準耐火建築物は7年)に延長されます。 「認定長期優良住宅に係る固定資産税減額申告書」「長期優良住宅の認定通知書」等の必要書類を固定資産税担当課へ提出しましょう。
※認定通知書は着工前に役所に申請をしないともらえません。ハウスメーカーに長期優良住宅で建築できるか・認定通知書を出してもらえるか確認しましょう。
土地の固定資産税は家が建っていれば安くなり、家屋の固定資産税は新築3年(長期優良住宅5年)半分になります!
1月2日以降に所有権登記するとお得?
固定資産税の賦課期日(税金のかかる日)は毎年1月1日。
1月1日に不動産を持っていればその年度の固定資産税がかかります。ということは、1月2日以降に取得すれば来年度までは税金がかかりません。
不動産屋やハウスメーカーなど、相手がいることなので日付指定するのは難しいですが、所有権の登記は年明け以降にしたほうがちょっと得…と言えます。
住宅ローン
住宅ローンの選び方で総返済額に大きく差が出ます!
金融機関は金利と手数料で選ぶ
結論から言えば、安さ優先ならネット銀行か住宅ローン専門金融機関がおすすめです。メガバンクは手続きのしやすさなどはあるものの、金額面では少し劣ります。
住宅ローンは金利と手数料で選びましょう。
- | 変動金利 | 全期間固定金利orフラット35 | 保証料 | 取扱手数料 | 団信保険料 |
---|---|---|---|---|---|
みずほ銀行 | 0.525% | 1.275% | 206,110円 ~ 721,470円/借入額1,000万円、 元利均等35年の場合 | 32,400円 | なし |
楽天銀行 | 0.527% | 1.31% | なし | 324,000円/変動金利借入額×1.404%/フラット35※返済口座が楽天銀行なら1.08% | なし |
住信SBIネット銀行 | 0.447% | 1.31% | なし | 借入額×2%+消費税 | なし |
優良住宅ローン | なし | 1.31% | なし | 借入額×0.5%/住宅性能物件(それ意外0.8%) | なし |
※データは2019/2月現在のもの
金利タイプの選び方 金利には「変動金利」「全期間固定金利」がありますが、安定して払っていくなら固定金利をおすすめ。
将来的に金利が上がっても返済額が変わらず、返済計画を立てやすいです。変動金利は金利が大きく上がったときの対応が辛い。
最初の10年は固定金利、その後は固定・変動どちらか選べるという「固定期間選択型」もなかなか良いです。
手数料の選び方 住宅ローンの手数料は「ローン保証料」「取扱手数料(融資手数料)」「団体信用生命保険料」など。
特にローン保証料・取扱手数料は10万〜100万単位になる場合もあります。会社によって保証料無料で手数料が高い、保証料が高くても手数料が安いなどあります。
住宅ローンの商品概要説明書をしっかり確認しましょう。商品概要説明書は金融機関のWEBサイトで見られます。
フラット35なら「S」の金利割引
全期間固定金利のフラット35は「フラット35S」という長期優良住宅は当初の10年間金利が引き下げられる商品があります。その年度の予算がなくなりしだい受付終了なので早いもの勝ちシステムです。
フラット35は住宅金融支援機構が本元ですが、民間の金融機関が取扱い窓口です。金融機関によって手数料などに違いがあります。
わが家もフラット35S。何より支払い金額が変わらないのが良い。現在は団信保険料も無料になって、より使いやすくなりました。
二世帯住宅のコスト削減まとめ
長くなってしまいましたが、どれも知らないと損してしまうので…すみません。
要点を整理します!
- ハウスメーカー選びは幅広く
- 建築面積は小さく
- 間取りはシンプルに
- 住宅設備グレードは基本下げる
- 自分でできることは自分でする
- 長期優良住宅・ZEH住宅にする
- 土地の申告、確定申告は必須
- 住宅ローンは金利・手数料を見て選ぶ
1番影響が大きいのはハウスメーカー。二世帯住宅を予算内におさめられるかの判断は営業の腕にかかってます。
長期優良住宅、ZEHの家を建てれば補助金や減税、住宅ローン金利引き下げで有利。光熱費も減らせるので後々の生活が楽になります。ぜひ検討したいところ。
ハウスメーカーに確認したいリスト
できるだけ無駄のない家づくりのための要チェックリストです。よろしければハウスメーカーとのご相談の際にお役立てください。
- 設計、設備のグレード次第で値下げできる?
- 施主支給はできる?
- 小物は施工せず、入居後自分で取付けてもいい?
- すまい給付金は受けられる?
- 長期優良住宅認定は受けられる?補助金は?
- ZEH・LCCM住宅は可能?補助金は受けられる?
- 住宅ローンを自分で探すが良いか?