牧場物語オリーブタウンと希望の大地に思うこと

小学生で牧場物語に初めて触れた。 NINTENDO64だったか。作物や牛を育てたり町の住人と話したり、仲良くなって結婚したり。山や泉、高台があってそこには野生動物や虫がいて、温泉に入って。なんて素敵な世界だろうと思った。

私は牧場物語のファンになり、ゲームボーイやらアドバンスやらDSやら、その時の懐事情が許す限りはプレイしてきた。

今や牧場物語は25周年の人気シリーズ。 満を持し、「牧場物語オリーブタウンと希望の大地」は発表された。超人気ハードのSwitchだ。久しぶりにテレビで牧場物語の新作が出るのか、と心が躍った。  「Twitterでの告発牧場キャンペーン」や「多すぎ?な予約特典」「最初からDLC出しすぎ?」お多少の不安を抱きつつも、牧場物語ブランドならそう外れたものは出さないだろうとパッケージ版を予約した。(不安があったのでパッケージ版にしたのだが、これは正解だった)

そして発売日、届いてすぐにソフトを起動。 相変わらずチープな3Dモデルだな、と微笑ましく見守る。オープニングは短かったことしか覚えていない。その先は、もはや牧場物語ではなかった。

これは牧場物語ではない。ほのぼの生活ゲームでもない。 牧場アイテム製造ゲーム。おまけで街があるだけだ。

TwitterやAmazonのレビューで散々語られているが、敢えて私の溜飲を下げるために文句を並べたい。

愛、こだわりがない

これに尽きるかもしれないが… 制作側の本気を感じない。住民たち、動物への愛着も湧きづらい。そういう仕様。

住民はお決まりの挨拶しか話さず、顔もよく見えない上に表情が変わらない(立ち絵が欲しいのはこのため)。顔と名前が覚えられない。 個性が見えるのはイベント時になるが、これまた酷いものが目立つ。三毛猫を何万匹繁殖させるだの、カレーを牛に食べさせるだの、ウン年前のピクルスを食べさせるだの…ギョッとするような会話。冗談にしても酷い。主人公に選択肢を選ばせておいて全否定や無視されることも。ちょっとおかしい人たちなのでは?と仲良くなりたい気がしない。イオリのイベントは世界観がおかしくて面白かったが。オリーブタウンの外から来た人だからまだ良かったのかもしれない。 そういえば住民たちは嫌いなものがないらしく、草や石をあげても誰もが喜ぶ。はぁ?

動物はブラシがけや搾乳などの世話が簡略化されており、良い点でもあるが「手塩にかけて育てる」感覚は薄まる。悲しいのは動物への声がけもなくなったこと。「今日も元気だね」「期限が悪いみたい」など、動物を可愛がる表現がない。更に世代交代を重ねないと品質が上がらないため、初期の動物を育てても仕方ないなとなりがち。悲しい。ただ、グラフィックや鳴き声は可愛い。それだけが救い。 

システムが色々酷い

住民や動物との触れ合いはそこまで求めてない、牧場開拓がメインだから!…という人の心を折るのがシステム面のどうしようもなさ。

やれロードが多い遅い、すぐ処理落ちする、フリーズする、○○メーカーの膨大な種類と効率の悪さ、雑草や木のリスポーン頻度、収納箱冷蔵庫の使い勝手の悪さ、アイテムソートできないなど枚挙に暇がない。

始めてしばらくは手持ち・設置アイテム数共に多くないのでそこまで辛くない。進めるうちにたくさんのアイテムやメーカーの収拾がつかなくなってきて、ソート不可なので整理もできず、どんどん処理は重くなる。 牧場の景観を整えようとしても、結局メーカーがたくさん並ぶ(1台に付き1つしか処理できないため)ので牧場らしく整えるのは非常に困難。機械だらけでそこかしこでゴゴゴゴ…チーンとか鳴ってる牧場、残念すぎる。 そもそもメーカーはそんなに必要なのか?資材関係はDIY枠でいいし、とにかく細分化しすぎ。メーカーを並べる作業や光景を想像するだけでやる気をなくす。

地味だがかなり効くのが収納。冷蔵庫は容量少ない、収納箱は複数作れるが中身が独立している。どの箱に何を入れた?あの箱まで取りに行こう、と時間もかかるしストレス。中身が同期されていればどれだけ使えるか… 当然街での納品でも収納は同期されないので、毎回リュックに入れねばならない。どこの箱に入れたっけ。

そして収納箱を移動させる(リュックに入れる)際に中身が全部床に落ちるのが最悪。中身くらい保持してくれ…間違って収納箱を仕舞うと、中身ぶちまけ。全部拾って入れ直すという面倒を強いられる。あれはイライラする。 移動といえば動物小屋も移動のたびに名前をつけさせられて困った。場所の微調整のため何度か置き直すと、その度に名前をつけさせられる。勘弁して。

謎の博物館

野生動物、魚、宝物?を寄贈できる博物館がある。野生動物は写真を撮ると模型を展示してくれるのでいい。魚は影だし宝物はゴミみたい。寄贈するたびにロードを挟んで自分で置きに行く謎仕様。場所なんてどこでもいいのに。これだけ観に行く価値のない博物館はなかなかないと思う。

さよなら牧場物語

システム面で頻繁にイライラして、街に貢献したい気持ちも湧かなくて。きれいな牧場づくりも難しい。頑張ってもガクガクになる… 早々にやる気がなくなってしまった。 一体この世界でなにがしたいんだろう?と思ったら、もういいやと。

温かく接してくれる個性豊かな住民たちはいない。牧場は工業的で機械音が鳴り響いている。 ほのぼの生活ゲームではないし、私の知る牧場物語ではなかった。

ゲーム内容に納得できないのに加えて、気持ち悪く感じた点がある。宣伝広告費に金かけすぎじゃ?と。 プロモーションに力を入れているのが引くぐらいわかって、牧場物語ってそんな大層なもんだっけ?と違和感があった。開発は置いておいて、宣伝して一気に売りたいのかなと。まぁそうだったんでしょうね。

流石にバグなどは放置できないのか、今後アップデートで修正がかかるようです。この文章を書いた段階よりは改善されるでしょう。 それでも心を抉られたような感覚は消えないので、きっとオリーブタウンと希望の大地をプレイすることはないでしょう。

次回作はあるのでしょうか。楽しみにしたい気持ちと、諦めている気持ちの両方です。