もう手づくりヨーグルトはメジャーな存在ですね。市販のヨーグルトと牛乳や豆乳をまぜて量産できるというアレ。
カスピ海ヨーグルトも流行り、そのときは種菌を持っている人から分けてもらうばかりでしたが…今では市販品もあり、種菌自体も販売されています。(→フジッコ カスピ海ヨーグルト種菌)
今回はそのカスピ海ヨーグルトを培養していきたいと思います。
↓カスピ海ヨーグルトを使ったチーズづくり↓
カスピ海ヨーグルト、クレモリス菌FC株の特徴
ヨーグルトは発酵乳という分類で、その発酵を助けているのが乳酸菌です。乳酸菌はとてもたくさんの種類がありますね。ブルガリア菌とかサーモフィルス菌とかR1とか…種類ごとに個性、特徴があるわけです。
ヨーグルトの基本はブルガリア菌とサーモフィルス菌なのだそうですが、カスピ海ヨーグルトは異なります。クレモリス菌FC株という特殊な菌。
連鎖球菌とEPS
乳酸菌は丸い形をした球菌、棒状の桿菌がふつう。でもクレモリス菌FC株は連鎖球菌という球がつながった形をしています。そして粘りのもととなるEPSという成分を出すんだそうです。もとの乳酸菌が違うからあの食感になるんですね。
食べても死なないで腸にたどり着くプロバイオティクス、ということでお腹の健康やら抗アレルギーやら体にやさしい効果もあるとかないとか。あるらしい。
活性化する温度が低め
で、クレモリス菌FC株がほかの乳酸菌と決定的に違うのは増殖しやすい温度。ヨーグルトの乳酸菌は高温菌といって45℃くらいで活発になるものがほとんど。それに対してクレモリス菌FC株は20〜30℃と室温程度で活発に増殖します。中温菌というものですね。発酵器を持っていなくても培養しやすい乳酸菌です。
また、これは希望なんですが…カスピ海ヨーグルトはチーズづくりに活かせるのでは?と考えています。チーズはミルクを中温菌で乳酸発酵させるものも多いんです。粘りが出る特性がどう関係するか気になりますが…ともかくチーズづくりを見越してクレモリス菌FC株を増やしてみようと思っています。
カスピ海ヨーグルトの増やしかた
必要なもの
- 牛乳 600ml(1Lでいい)
- カスピ海ヨーグルト 大さじ3
- 1L以上入る容器
牛乳は生乳100%の無調整を使いました。家に残ってた600mlでつくります。低脂肪でも作れるでしょう。ただ低温殺菌牛乳だと固まりにくいかもしれません。
カスピ海ヨーグルトはフジッコの無脂肪タイプを購入しました。もちろん脂肪分ありでもいい。
容器はヨーグルティアのガラス容器です。なんでもいいですが、熱湯消毒しやすい耐熱ガラスがおすすめ。ヨーグルティア自体は使わないもののガラス容器は清潔で容量表示もあって便利。
使用する容器やスプーンなどは熱湯消毒しておきましょう。ヨーグルトは酸性なので雑菌繁殖はしにくいとはいえ、雑菌を減らしておくことはとても大切です。ひと手間を惜しんでヨーグルトをダメにしてしまっては悲しいですから…
つくりかた
煮沸消毒(ヨーグルティア容器は少量水を入れてレンジで1分半くらいでOK)した容器に牛乳、カスピ海ヨーグルトの順に入れてまぜる。あとは固まるまで20〜30℃の常温で放置する。
だけ!簡単!
冬で気温が低いときは暖かい部屋に置くとか、夏は涼しくしておくほうがいいとかはありますが。あと、クレモリス菌FC株は酸素がない環境で増えるので発酵中はまぜない、揺すらないがベター。
今回は朝10時〜翌朝8時の12時間おきました。
かたむけても表面が動きません。完成です!
粘りもしっかり出ています。はちみつとアーモンドと一緒にいただきました。
とても簡単に増やせるので自家製ヨーグルトはとってもおすすめです!カスピ海ヨーグルトは常温でもつくれますし、すみやかに活動温度に達するのでphの下がりが比較的早く雑菌の繁殖も抑えやすいとか。非常に家庭向きなのではないでしょうか。ヨーグルトは毎日食べてこそ効果を発揮します、自宅で増やせるのはありがたいですね。
※追記※やはりチーズづくりにはちょっと不向きかもしれません。特有の粘りがあるためホエーを抜く作業が難しいです。カッテージチーズはうまくできましたが、他に何度かやってみたところムラができやすい感じ。クリーミーな仕上がりにはなるのでそういった食感がお好きな方には良いと思われます。中温菌をもっている食品としてケフィアを見つけたので、現在そちらを試しています。ケフィアの考察記事はこちら
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