今回はクリームチーズに挑戦します。
クリームチーズづくりは熟成工程がないので比較的かんたんとされているらしい。ほかのチーズがレンネット(酵素)やカビを必要とするのに対して、クリームチーズは酸性にかたむけることでチーズができるといいます。基本的には乳酸発酵で酸性にしていくようです。
参考にしたのは蔵王酪農センターのチーズマニュアル、チーズ工房―HOME MAKING CHEESEという書籍です。チーズ工房も蔵王酪農センターの監修で出版されています。現地ではチーズづくり体験もおこなっているそうなので、行ってみたいですねー。近いですし。
準備するもの、ざっとした作りかた
必要なもの
- 高温殺菌牛乳 500ml(衛生・成分の面で低温殺菌は適していない)
- 生クリーム 200ml
- ヨーグルト 大さじ1
- 塩 チーズの0.5%~1.5%
- ヨーグルティア
- ゴムベラ
- 温度計
- 目の細かいざる
- キッチンペーパー(さらし布)
高温殺菌牛乳…ふつうチーズ作りには低温殺菌牛乳を使いますが、クリームチーズには高温殺菌牛乳がおすすめ(チーズ工場の方に問い合わせました)。クリームチーズは乳酸発酵でつくりますが、低温殺菌牛乳はタンパク質変性が足りずに発酵しにくいのだそう。さらに常温で長時間発酵させるので雑菌も繁殖しやすく、家庭でのチーズ作りには高温殺菌牛乳が向いているとか。高温殺菌は手に入れやすいふつうの牛乳なので、コスト的にも助かります。
クエン酸の有無…なくてOK。クエン酸は酸っぱさダイレクトなので、乳酸菌を使った乳酸発酵のほうが風味よく仕上がります。
生クリームの脂肪分はお好みで。蔵王酪農センターによれば40~50%のものを使い、牛乳とあわせて12~18%にするのが一般的とのこと(今回は牛乳0.3%500mlと生クリーム47%200mlで16%かな?)。最終的なクリームチーズの脂肪分は33%以上にするそうです。このへんは手づくりなので好きにしていいでしょう。
ヨーグルティア…長時間温度を一定に保つので鍋よりも楽です。もちろん鍋でもつくれます。
あると便利なもの
- ph測定器
クリームチーズはphが下がって酸性になることが重要なので、ph計があると非常に役立ちます。
[itemlink post_id=”6081″ alabel=Amazonで探す rlabel=楽天市場で探す ylabel=Yahooショッピングで探す]
わたしはこちらを使用しましたが、安いだけあって正確性はちょっと…?校正して使っているので目安にはなりますが、やっぱりちゃんとしたものを選んだほうがよかったかと思っています。
後日以下のph計に買い替えました。計測スピードや信頼性において、買い替えてよかったと感じています。おすすめするならこちら↓ですね。
[itemlink post_id=”6216″ alabel=Amazonで探す rlabel=楽天市場で探す ylabel=Yahooショッピングで探す]
作り方の手順
- 牛乳に生クリーム、ヨーグルトを加える
- ヨーグルティア25℃設定、phが下がるまで数時間~15時間程度保温
- ヨーグルティア55℃設定しゆっくり温める
- 冷やしつつホエーを抜く
- 塩を加えて完成
かんたんに言えば「牛乳+生クリームでヨーグルトをつくり、水切りする」だけなのです。
下準備
道具類を消毒しておきましょう。雑菌が残っているとチーズの出来にかかわってくる可能性があります。熱湯やアルコールで雑菌を排除します。ヨーグルティアは容器に少量の水を入れて電子レンジで1分30秒。
クリームチーズをつくる
牛乳、生クリーム、ヨーグルトをまぜる
牛乳500ml、生クリーム200ml、ヨーグルト大さじ1、を入れてゆっくりまぜます。ヨーグルティアの容器に直接でOK。
ヨーグルトは乳酸発酵(乳糖を乳酸にする)のために入れます。今回はヨーグルティアでつくった自家製ヨーグルトを使いました。種はブルガリアヨーグルトです。
25 ℃設定にしてしばらく置く
ヨーグルティア本体にうつし、25℃設定で数時間〜15時間ほど置きます。
本来は20~23℃で発酵させるようですが、設定温度が25℃からなので。ちゃんと作れるので大丈夫。参考元によれば乳酸菌スターターを入れて15 時間と記載があり、ph4.6〜4.8くらいに下がるまで放置する必要があるそうです。(これがなかなか下がりません…)
撹拌しつつ55℃設定する
上から15時間ほど置きました。ヨーグルト状になりました。手持ちのph計ではまだ6.2くらいだったような…忘れてしまいましたが4.8には程遠いです。あまり時間を置いても衛生面が気になるのでこのまま進めましょう。
ここから30分〜2時間ほどかけ、じっくり温度を上げていきます。50〜55℃に。
ヨーグルティアはゆっくり温度が上がるのであまり気にしませんが、急に熱さないようにしましょう。
今回は1時間強置いています。当然ですが温度が上がれば発酵が進むようで、めきめきphの値が下がっていき4.9くらいになりました。同時にホエー(乳清)とカードも分離してきます。
ホエーを抜く
カードとホエーが分離したらざるに布やキッチンペーパーを敷いてこします。ボウルの中に高さを出すための皿を置き、その上にざるを置くといいでしょう。こすものはキッチンペーパーだと破れたりチーズがこびりつきやすいので、サラシやガーゼといった布がおすすめ。
サラシで包み、口を縛って冷蔵庫で一晩置きます。吊るして水分を抜くといいそうですが、うちの冷蔵庫に吊るせる場所はありません…
重さを計り塩を混ぜる
一晩置いたのちに布を開け、チーズを取り出して重さを計ります。きっかり300gのクリームチーズができました!市販のチーズと同じようないい香りがします。
チーズの重量の0.5~1.5%の塩を加えてまぜます。試作で1.5%入れたらしょっぱさが感じられたので0.5で十分じゃないかと思います。塩分少なめはお菓子用、多めは食事用に。
完成!
完成です!容器にラップをしいて乗せました。白くてまったりとした、まさにクリームチーズ!
試作では脂肪分が分離?したりとポロポロとしたチーズができてしまったんですが、これは成功。生クリームの脂肪分は多めにすること、高温殺菌牛乳を使うことが重要なのかなと感じました。
ph管理はまだまだ難しいですが、今後発見がありましたら追記したいと思います。
2018/07/06追記:phの下がり方は乳酸菌の種類によって変わるようです。市販のヨーグルトに含まれる乳酸菌はほとんど高温菌という40-45℃くらいで活発になるもの。そのため25℃で置いてもなかなか乳酸発酵が進まなかったと思われます。この温度帯で発酵させるには中温菌というのが必要ですが…わたしの調べたところで手に入れやすいのはカスピ海ヨーグルトに含まれるクレモリス菌FC株だけ。粘りが出る乳酸菌ですがチーズに使えるか?今後検証してみたいです。→カスピ海ヨーグルトづくり
2018/07/19追記:ケフィアも中温菌をもっていることを確認しました。粘りがないぶんケフィアのほうがチーズ向きかもしれません。→ケフィアづくり・考察
手軽に自家製クリームチーズ!
クリームチーズは材料も手に入りやすく、手間もかかりません。寝かせる時間を取るだけなので手軽に挑戦できますよ。ヨーグルティアがあれば火もいらず安全です。
市販品と遜色ないチーズが自分でつくれるのは感動です。たくさんできるのでチーズ好きに人にはおすすめですね~、ぜひおためしくださいませ。
[itemlink post_id=”6172″ alabel=Amazonで探す rlabel=楽天市場で探す ylabel=Yahooショッピングで探す]
コメント