今回はカッテージチーズに挑戦します。
カッテージチーズはCottage(コテージ、農家、家庭)という名前からもわかるように、家庭で愛用されてきたチーズだそう。脱脂粉乳ベースの脂肪分がもっとも少ないチーズなのでダイエット中にもオススメ。
脱脂粉乳を乳酸発酵させてつくります。クエン酸やレモン汁で時短カッテージチーズもつくれますが、今回は本来の工程にのっとって乳酸発酵でつくります。風味も違ってきますしね。なお、インド版カッテージチーズとされるパニールというチーズも存在します。→パニールづくりの記事はこちら
準備するもの、ざっとした作りかた
必要なもの
- スキムミルク 95g
- ぬるま湯 900ml
- ヨーグルト(カスピ海) 大さじ3
- ヨーグルティア
- ゴムベラ
- 温度計
- 目の細かいざる
- キッチンペーパー(さらし布)
スキムミルク…カッテージチーズはスキムミルク(脱脂粉乳)を使います。脂肪分が少ないわけです。
ぬるま湯…脱脂粉乳を溶かすためにぬるま湯です。
カスピ海ヨーグルト…もっている乳酸菌が中温で増殖するクレモリス菌FC株のため採用。ふつうのヨーグルトは高温菌のため本来の工程どおりにいかないと思われます。
※カードを固める補助として少量のレンネット、塩化カルシウムを入れる場合もあります。が、今回は作成量も少ないので省きました。
あると便利なもの
ph計…phが下がりカードができる。この状態を確認するのにph計があると役立ちます。
千円くらいの安いものを買ったら数値の信頼度が今ひとつだったので、チーズづくりを長く楽しみたい・安心してつくりたいかたは少々高くとも信頼の置けるメーカー製を選ぶべきですね。わたしはアズワン社製を買い直しました…使いやすいです。
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ヨーグルティア…長時間温度を一定に保つので鍋よりも楽です。もちろん鍋でもつくれます。
作り方の手順
- 脱脂粉乳とぬるま湯をまぜる
- 25℃でヨーグルトを加えて保温
- カードが固まったら切る
- 2時間かけて60℃に温める
- ホエーを抜く
- カードを水洗いする
- 完成
下準備
道具類を消毒しておきましょう。雑菌が残っているとチーズの出来にかかわってくる可能性があります。熱湯やアルコールで雑菌を排除します。ヨーグルティアは容器に少量の水を入れて電子レンジで1分30秒。
カッテージチーズをつくる
脱脂粉乳とぬるま湯をまぜる
脱脂粉乳(スキムミルク)95gとぬるま湯900mlをまぜます。水が冷たいとダマになってまぜづらいのでぬるま湯を使いましょう。
25℃でヨーグルトを加えて保温
25℃くらいになったらカスピ海ヨーグルト大さじ3杯(50ml)をまぜます。わたしはぬるま湯の温度が高かったので33℃くらいで入れてしまいましたが…あまり熱いと乳酸菌に悪影響を与えかねないので気をつけて。
フタをしてヨーグルティアで保温します。25℃で20時間で設定しました。(画像では24時間になってますが)
ヨーグルティアなどの発酵器がなければもちろん鍋でも大丈夫です。その場合20℃以下にならないように、とのこと。
カードを切って15分おく
20時間おくはずが寝落ちしてしまいました。結局24時間以上は置いたことに。phは4.1と、目的の4.6よりかなり下がってしまいました。仕方ないのでこのまま進めます。しかしこのph計は測定が早く信頼できます。高いだけあります。
カードを切ります。1cm四方の格子状に切ります。しっかり固まっているので切れ目がきれいに入りました。このまま15分静置しホエー排出をうながします。
2時間かけて60℃に温める
1時間~2時間かけて温度を上げます。55℃~60℃にします。ヨーグルティアは温度が上がりきるのに時間がかかるのであまり心配いりません。念の為45℃に設定し30分、61℃設定で1時間温めました。
温めている間、ときどき揺すったりゆっくり撹拌します。撹拌しているとカスピ海ヨーグルトらしい粘りが出てきました。ちょっと心配です。
60℃になったら15分くらい静置。本来ならもっと締まったカードになると思いますが、少しゆるめです。
ホエーを抜く
ざるにこし布を敷いて流し、ホエーを抜きます。ホエーは分離しているものの、粘りがあるためかすんなりとは抜けません。気長に待つことにします。
吊るせる場所があったので布を輪ゴムで縛ったうえでピンチではさみ、吊るしました。ポタポタとホエーが落ち、いくぶん早く水分が抜けるかもしれません。もちろん吊るさずに重しを乗せたりでもOK。水が抜ければいいだけです。
カードを水洗いする
ホエーが抜けたかな、というところでカードを水洗いします。ホエーのにおいを洗い流すための工程です。
カードはこし布に包んだまま、水を入れたボウルの中で泳がせるように洗います。洗い→水を抜く工程を2,3回繰り返すそうですが、回数などはお好みでいいでしょう。ホエーの香りをどれくらい残すかなんて自家製なんだから好き好きですね。今回は何度も洗ったあと1度の水抜きにしました。
わかりづらいですがざるの上にカード、その上に水を入れたボウルで重しをして水を抜いています。
完成!
水が出なくなったら完成です!塩を加える場合は1%くらいで。さらに熟成させる…と書かれていた資料もありますが、家庭でつくったフレッシュチーズですから安全上やめておいたほうがいいですね。早めに食べきります。
カスピ海ヨーグルト(クレモリス菌FC株)を使ったこと、phがかなり下がったこと。この2つのせいと思われますが結構弾力というか、もったりまったりとした質感のカッテージチーズになりました。あっさりしたクリームチーズのような感じです。低脂肪クリームチーズと言えばヘルシーでいい印象ですね(笑)
とてもあっさりしているので他の具材とまぜて使うのに向いていると思います。味を邪魔しません。パンケーキなどのお菓子の生地に入れ込んだり、ディップソースにしたりかぼちゃと和えても美味しそう。ヘルシーにタンパク質を取れる良食材ですね。
手順は多いがとってもヘルシーなカッテージチーズ
できるだけ本来のつくりかたにならってカッテージチーズを手づくりしてみました。乳酸発酵にかける時間、温度管理、水洗いなど意外に工程が多いです。お手軽…とは言えないかもしれませんが、スキムミルクとカスピ海ヨーグルトという身近な材料でちゃんとつくることができました。
もったりした食感とは裏腹にお味はとてもスッキリとしていて癖のないもの。スキムミルクからこんなチーズができるなんて驚きです。達成感はひとしおですよ。
クリームチーズは好きだけどカロリーが…というかたは自家製カッテージチーズで代用するといいかも?お菓子におかずにと活躍できる万能選手ですね。
なお、つくりながら考えていたこと。
- スキムミルクを無脂肪牛乳に代用できるのでは?
- カスピ海ヨーグルトに限らず普通のヨーグルトでもできるのでは?
- レモン汁やクエン酸使えば?
もはや正式なカッテージチーズではないかもしれませんが、「カッテージチーズに限りなく近いもの」が簡単にできるならそれはそれでいいじゃん、と。うまくできましたら記事にしてみますね。
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