自家製サワークリーム・発酵バター

発酵食品

サワークリームとか発酵バターって、なかなかお目にかかれない高級食材!ってイメージないですか?

じつは非常に簡単に手づくりできるんです!買うよりつくったほうが手に入れやすいので、ぜひチャレンジしてみてください。

サワークリーム、発酵バターとは?

つくる前にサワークリーム、発酵バターとは何なのか確認。

サワー(sour)とは発酵によった酸味がある状態をさします。サワークリーム=発酵クリームとも言いかえられますね。乳酸菌で発酵するため、ヨーグルトなどと同じようにつくられます。

サワークリームの脂肪分を分離させたのが発酵バターです。

その昔はミルクの冷蔵保存技術もなく、つくる間に自然と乳酸発酵してしまって、発酵バターが標準だったとか。今は発酵前にバターが製造できるのでそっちが当たり前になってますよね。

発酵によって乳酸菌が増え、酸味やコクが出ます。お腹にもやさしいかも?ヨーグルトみたいで親近感がわいてきますね〜。

準備するもの、ざっとした作りかた

必要なもの

  • 生クリーム 200ml
  • ヨーグルト(ケフィア) 大さじ1~2
  • ヨーグルティア(発酵器)
  • ハンドミキサー
  • 大きめのガラスボウル

生クリーム…生乳100%、添加物なしを。脂肪分が高いほど成功率・できがり量が多いです。今回はタカナシの北海道純生クリーム47。

ケフィア…普通のヨーグルトでもできなくはないですが、わたしはケフィアを主に使ってます。理由は20〜30℃の常温発酵が可能な乳酸菌だから。クリームを加熱しなくて済むので変性が少ない、かもと思ってます。普通のヨーグルトを使うなら40℃くらいで発酵させます(ケフィア考察)。

ヨーグルティア…温度を一定に保つため、必要に応じて使います。室温が25℃くらいでケフィアを使うなら必要ありません。室温が低かったり加温が必要なヨーグルトを使うときはヨーグルティアが便利(ヨーグルティアSレビュー記事)。

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作り方の手順

  1. 生クリームを発酵させる→サワークリーム完成
  2. 冷蔵庫で休ませる
  3. サワークリームを撹拌する
  4. 分離した水を抜く
  5. 発酵バター完成

サワークリーム・発酵バターをつくる

生クリームとケフィアをまぜる

生クリームとケフィア(ヨーグルト)をまぜます。別容器に移してまぜてもいいし、生クリームのパックのままでもOK。

今回はそのままパックにケフィアを入れました。ケフィアのかたまりがないよう、しっかりまぜます。なんなら振ります。雑菌混入を防ぐためにラップしてから口をとめましたが、汚いですね…すみません。

12時間ほどおいてサワークリーム完成

かたむけても生クリームの表面が動かないくらいに固まったらサワークリームの完成です。

ケフィアなら25℃前後、普通のヨーグルトなら40℃前後で12時間ほど静かにおいて発酵させます。時間はめやすなので、状態を見て判断してください。

ねりねりとしたサワークリームができました。

発酵バターをつくる場合は次の工程に進みます。

冷蔵庫で一晩冷やす

一晩というか、数時間というか。クリームがしっかり固まるまで冷蔵庫で冷やします。

しっかり冷やさないとうまく分離しないことが…

サワークリームを撹拌する

クリームがよく冷えたら撹拌します。容器を振ったり、ミキサー使ったり。わたしはハンドミキサーを使いました。こんな商品もあるみたいですね。

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ハンドミキサーの注意点があります。それは「大きくて深めガラスボウルを使う!」「周りを片付けておく!」

長いあいだミキサーをまわすので、ボウルにかなりの負荷がかかります。プラスチックやステンレスだと傷がつきますので、ガラス製にしましょう。また、水分が多い状態で撹拌すると中身が飛び散ります。なので汚れて困るものは片付けておく、下に新聞紙を敷いておくなど汚れ対策をしておくといいでしょう。そう考えると、ジューサーミキサーやフードプロセッサーのような蓋のできるもので撹拌したほうが楽かも…

固いクリームが、撹拌するとポロポロになり、水分が出てきます。時間がかかっても諦めない。温度が上がってくるとふたたび混ざってクリーム状になってしまいます。温かい季節は氷水を入れたボウルの上で作業したり、冷蔵庫に入れ直すなどして対処しましょう。

水分を抜く

白く濁った水分が出たら、別の容器にうつします。固形分はほんのり黄色くなります。

白い水が抜けたら、それと同量くらいの冷水を加えてまた撹拌します。水と油なので分離が進みます。分離した水が透明になってきたらおわり。

ポテトマッシャーやゴムベラなどで固形分を押しつぶすようにして、水分を追い出します。しっかり水を抜いたほうが長持ちするし、よりバターらしくなります。市販のバターほどカチカチには難しいですが…

※分離した水分はバターミルクという副産物です。お菓子の材料にするとふんわりして美味しいですよ!わたしはバターミルクがとれたら早めにパンケーキを焼いて冷凍しておいてます。

残った水分をとるため、キッチンペーパーを2重にして包みました。冷蔵庫で少し冷やします。

完成!

濡れたキッチンペーパーを剥がしたら完成です!

水分の多いバターなので劣化しやすいです、できるだけ早めに使い切りましょう。一週間以内くらいで。…といってもなかなか難しいので、小分けに切って冷凍をおすすめします。

塩を入れて有塩バターにしてもいいし、刻んだハーブを入れてハーブバターにしてもよし。ほんのり乳酸菌のさわやかな香りと、フレッシュな風味が格別です!

失敗?バターと水が分離しないとき

実は発酵バターづくりに成功するまで、何回か失敗しています。というか失敗したつもりになっていた。

これは一度水と油に分離したあと、まぜ続けたときの画像です。どんどん分離せい!オリャー!という気合と反比例してクリーム状に戻りました…

10分、20分、それ以上撹拌しても一向に分離する気配はありません。途中で水が入ったのがいけないか、とぎれとぎれに撹拌したのがよくないか…と色々悩みました。

結局、原因は冷却不足。

すでに常温なのに氷水のボウルを敷いても無駄でした。冷蔵庫に入れる時間が短くても駄目でした。数時間〜一晩しっかり冷やす。固まるまで冷やす。これが大事。

撹拌力が強いミキサーだからこそまぜすぎ、バタークリームのようになるのではないかな…と思いました。何十分まぜても分離しないかたは、ぜひしっかり冷やしてみてください。

なぜ生クリームからバターができるのか?

そもそも生クリームはミルクからとれますね。搾りたてのミルクには、大小さまざまな脂肪球が含まれています。脂肪球はしばらく置いておくと上のほうに浮かんできて、クリーム状に。これが生クリームです。

※市販の牛乳のほとんどはクリームがとれません。ホモジナイズ(均質化)という脂肪球を壊して小さく揃える工程をふんでいるためです。→ノンホモジナイズの牛乳について

生クリームを振ったり撹拌すると脂肪球の膜が壊れ、脂肪どうしがくっつきます。最初は空気や水分を含むので泡立ったクリーム状ですが、衝撃を与え続けると脂肪だけが分離してきます。それがバターです。

牛乳の中の濃ゆい部分が生クリームで、生クリームの脂肪だけを取り出したのがバターなのですね〜。

サワークリームの使いみち

サワークリームは画像のように焼いたじゃがいもに添えるのがメジャーのよう。マクドナルドにも「サワークリームオニオン」なるディップソースがありますね。サワークリームに刻んだハーブや玉ねぎなど、薬味的なものをまぜてディップすると美味しい。

ビーフストロガノフの材料としても有名、いつもサワークリームが手に入れづらいけど、これで簡単に作れます。

ビネガーやオイルとまぜてまろやかなドレッシングにも。味の強い食材とあわせるといい感じにまとめてくれます。

発酵バターの使いみち

発酵バターはふつうのバターと同じように使ってOK。パンに塗ったり、お菓子やパンづくりの材料にしたり。市販のお菓子でも発酵バター風味とかありますね、ビスコとか。好きです。

コクが深まり、さわやかな香りがなんとも素敵です。

手間はちょっとだけ、手づくり発酵バター!

ちょっと面倒かもしれない。しかし誰でも簡単につくれる。なら一度試してみては?

とにかく高い発酵バター。なかなか手が出ないけど、生クリームとヨーグルトなら買う気になる。生クリームを発酵させて、冷やしてまぜる。これで発酵バターが手に入るならもうけもんです。

なにより、手づくりだからフレッシュ!新鮮!おいしい!冷凍しておけばお菓子に料理に活躍してくれること間違いなし。ふだんバターを使わない人でも、つい使いたくなります。

発酵は酸味をプラスするだけでなく、乳酸菌の活動によって栄養や香り成分も生み出されます。

ぜひクリームから発酵バターになるまでの過程を楽しんでみてください。色や形、香りの変化を見届けられますよ。

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