チーズはウマイ。ウマイが高い。
自分でチーズが作れたら安心で経済的かもしれないのに!…という思いからモッツァレラチーズ作りに取り組んでいます。作る楽しさや知識・技術が身につく喜び、美味しいチーズの味にすっかりハマってしまいました。
チーズ作りは存外むずかしいです。幾度となく失敗し、ようやく成功にたどり着きましたのでそのレシピを記しておきます。
ぜひミルクの味が濃厚なチーズづくり、お試しください!
※このレシピは我流です。間違っていることもあるかもしれません。参考程度にし、ご自身でコツをつかむまで頑張ってみてください。
準備するもの、ざっとした作りかた
必要なもの
- 低温殺菌牛乳 1L
- レンネット 0.1g(耳かき1杯くらい)
- クエン酸 小さじ1/2(1.4-1.5gくらい)
- 鍋(ホーローかステンレス)
- 温度計
- ケーキ用パレットナイフ
- おたま、レードル
- 耐熱手袋、軍手
- 目の細かいざる
- キッチンペーパー(さらし布)
レンネットはかわしま屋さんで購入できます。
保温器(ヨーグルトメーカー)は使わないほうが成功率が高かったです。1lまでしか入りませんし、鍋で十分かと思います。
温度計は鍋のフチに固定できるもの(天ぷら用のとか)が作業しやすいと思います。私は持っていないのでクリップでとめてます。
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作り方の手順
- 低温殺菌牛乳にクエン酸を加える
- 加熱しレンネットを加える
- カードを切る
- ホエーを抜く
- 80度以上のお湯につけて伸ばしまとめる
- 冷水にとり冷ます
下準備
道具類を消毒しておくとベター。熱湯やアルコールで雑菌を排除します。でも私はかなり適当です…差し支えない程度に。
レンネットを小さじ1杯ほどの浄水で溶かしておきます。
低温殺菌牛乳とクエン酸をまぜる
鍋にクエン酸と浄水(分量外、塩素のないもの40mlくらい)を入れよく溶かす。
さらに牛乳を入れてよくまぜる。このとき勢いよく注ぐと泡立つので、ある程度泡が消えるまでしばらく置く。泡が残っていると固めたときにキメが粗くなります。
温度を32℃まで上げていく
ゴムベラでゆっくりやさしくまぜながら温度を上げていきます。泡立てず、32℃〜37℃くらいまで。子牛の体の酵素がもとになっている製法なので、子牛の体温をイメージした感じ…
温度が上がりphが下がるだけでもモロモロとしたカード(チーズのもと)が見えてきます。所定の温度になってもカードが出来ない場合、クエン酸水を少しだけ足して様子を見ます。今回も0.1gぶんのクエン酸を追加しました。クエン酸が少なすぎるとチーズが伸びず、多すぎると溶けてしまいます。
モロモロが少し出てきたら火を止め、次の工程へ。
レンネットを加える
火を止めたらレンネットを入れてやさしくゆっくり、泡立てないようにまぜます。長々とまぜてるとカードが固まるのを阻害するので30秒もまぜれば十分。
まぜたら鍋にフタをして(保温のため。少しくらい開いててもOK)10〜30分くらい待つ。湯豆腐みたいにカードが固まるのを待ちます。
鍋を傾けるとカードが固まっているのがわかります。不安なときは少し長めに待つと良いかも。
カードに切れ目を入れる
カードが固まったらナイフで格子状に切れ目を入れます。カードの中にある水分と切り離していきます。容器に傷がつきにくいようにケーキ用のパレットナイフなど先のとがっていない道具がおすすめ。
コンロに火をつけ、弱火で43℃くらいまでゆっくり加熱。その間、おたまなどでカードをやさしくまぜる…というか揺らすような感じで。どんどん水分が出てきます。ボソボソが出てきてもまぁ気にせず…
43℃になったら火を止めて3~5分くらいおきます。時間をかけると固めのチーズになるらしい。
※この水分はホエーという栄養たっぷりの副産物。ヨーグルトの上澄み的なアレです。カレーやシチュー、パンやスムージーなどお菓子やお料理に使うと無駄がないですね。コクのある美味しさになります。
ホエーを抜く
しみ出てきたホエーをのぞきます。ざるにキッチンペーパーや布をセットし、カードを乗せていきます。ざるの下にボウルとか置いてホエーを取っておくといいのではないでしょうか。
カードを乗せ終えたら手でそっとおさえて水分を抜きます。ギュッとやるとカードがキッチンペーパーにこびりつくのでほどほどに。
一回で水分が抜けきらないな〜と感じたらキッチンペーパーを替えて2,3回繰り返すといいです。
これくらいまでホエーを抜きました。
次の工程にそなえ、鍋にカードが浸るくらいのお湯を沸かしておきます。
お湯につけて伸ばしまとめる
鍋のお湯を85℃まで温めます。沸騰はさせない。85℃になったらいったん火を止め、おたまに乗せたカードをゆっくり鎮めて2,3分待ちます。
じゅうぶんカードが熱されたら練り始めます。ここからは画像を撮っている状況じゃないので文章だけで…
軍手の上にゴム手袋をはめて作業します(でもめっちゃ熱いです)。カードを伸ばして折りたたむような感じで練りますが、わたしは手でギュウギュウ握ってまとめたりもします。最初のうちはまとまりが悪いですがしばらく練るうちにつるりとします。熱湯につけては練る。熱すぎたら取り出して冷めてきたらつけて…とがんばりましょう。
練るうちにお餅みたいにびよーんと伸ばせるようになります。伸びの良し悪しはその時のつくり方によって変わりますね。伸びにくかったりダラ~ンとなったり。
ある程度まとまってきた段階で塩を入れると味がつきます。練り終わってから塩水につけて保存してもいいし、塩を入れなくてもいいのでお好みで。
さまして完成!
練り終わったら好きな大きさにちぎって丸め、冷水にとってさまします。塩水につけたりそのまま置いて保存しても大丈夫とか。だいたい一週間くらいで食べるようにしましょう。
これでねんがんのモッツァレラチーズのできあがりです!!牛乳1Lから150gのチーズができました。お疲れさまでした!
トマトとオリーブオイルとあわせてカプレーゼなんて王道だけどやっぱり美味しい~
モッツァレラチーズづくりのポイント
わたしがモッツァレラチーズをつくる際に失敗したこと・成功したことをふまえてコツ(と思われるもの)をあげてみます。
牛乳を泡立てない
牛乳を移し替えたり勢いよくまぜたりすると気泡ができ、泡立ったまま固まろうとします。カードが無駄にボソッとしてしまうし美しくないので、やさしく泡立てずに作業したほうがいいと思います。
phの状態に気をつかう
ph計がない場合は慣れになりますが…クエン酸の量は毎回きちんと計り、結果がどうなったかを記録しておくことをおすすめします。
クエン酸を加えて加熱したときの状態や最終的なチーズの状態など試行錯誤してみてください。牛乳1lあたり小さじ1/2が通常ですが、クエン酸が水分を含んでいれば重さや体積も変わるだろうし、牛乳の成分によっても必要量は変わると思います。最終的なphは5.2が適正です。
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ph計を買うなら↑のような少々値が張ってもメーカー製のものをおすすめします。千円台のものも販売されていますが、正直信頼度が今ひとつです…私はそれで買い替えたので。失敗するなら安定のものを選んだほうが良いかと思います。
熱湯にしっかり浸ける
熱湯につけてすぐにさわると結構ボロっと崩れがちです。わたしは崩れました‥網ですくって必死にまとめればなんとかなったりもするんですが、根気がいるし完全にはまとめられないしで避けたいものです。
湯につけてしばらくはそっとして熱が伝わるのを待ったほうがいいのではないでしょうか。カードのまとまりが良くなります。
失敗と疑問
失敗の記録と疑問の答えらしきもの
ヨーグルトとクエン酸どっちを使うのか
モッツァレラチーズのレシピには牛乳にヨーグルトを入れるものとクエン酸を入れるものがあります。これはどちらを使ってもOK。目的はphを下げることにあり、ヨーグルトあ乳酸菌の発酵で、クエン酸は直接phを下げる効果があります。
乳酸菌の発酵には時間がもう少しかかるのでわたしはクエン酸を使っています。ヨーグルト常備してないしね。
カードが固まらない・ボロボロになる
- レンネットが足りない
- レンネットを入れてからの時間が足りない
- レンネットを入れてから動かしすぎ
- 牛乳が泡立っている(強くまぜている)
- phが高すぎる・低すぎる
レンネット投入後にカードがボロボロになってしまう、ホエーを抜くときにカードも一緒に溶けて白く濁ってしまう…という場合は上のような原因かもしれません。レンネットはごく少量で十分はたらきますし、時間を置くのも問題ないと思います。ので、おそらく牛乳の泡立ちやphの状態によるのではないかと。
わたしは牛乳をヨーグルティアに移し替えたときに、移し替えた衝撃で泡立って、そのままボソッと固まったようなことがありました。またph値が適切でない場合もうまく固まらないと思います。クエン酸の量を再確認ですね。
カードを湯につけると溶けてしまう
- phが低すぎる
- 湯につけてから触るのが早すぎる
- 湯の温度が適正でない(80℃~90℃くらいが適正)
なんとかカードができたものの、熱湯につけたら溶けて霧散してしまった…残ったのは濁ったお湯とボロボロのチーズだけ…という悲しい状態。
おそらくクエン酸が多くphが下がりすぎたのが原因。適正phは5.2で、それより低いと溶けてしまいます。また熱湯に入れてすぐさわるとチーズに熱が伝わる前にバラバラになってしまう可能性があります。
まぁ溶けたらすくって絞ってあげれば十分おいしいフレッシュチーズになります。もったいないので美味しくいただきます。
カードを湯につけても伸びない
- phが高すぎる
- カードとホエーの分離段階で高温(43℃くらい)のまま長時間おいた
- 湯の温度が低い
モッツァレラチーズづくりの醍醐味?の伸ばす工程。ブチッと切れてうまくいかないこともあります。
まず、phが下がっていないと伸びが悪いです。またカードとホエーを分離させる段階で時間を長めにとると固いチーズになりやすいそうです、ちょっと試していませんが…。もちろん熱湯の温度が低くてもうまくいきません。
手作りチーズは楽しい、美味しい
難しいけどそのぶん達成感は抜群!ミルクの味が濃くてとても美味しいモッツァレラチーズができますよ。塩を入れるか、どんな塩にするか、ハーブをきざんで入れてみたりとか…アレンジも自由にききます。
栄養たっぷりのホエーもたくさんできるので、それでどんな料理を作ろうかな~と考えるのもまたよし。うちではもっぱらパンやホットケーキ、スープなんかに使います。
材料はそう高くないので実験感覚でやってみると楽しいかも。熱湯を扱う工程さえ気をつければお子さんの自由研究にもピッタリではないでしょうか。ぜひおためしください!
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