のっけからタイトルと矛盾しますが、土地は妥協しないほうがいいです。
毎日の出勤、保育園の送り迎え、通学、買い物…。 親も高齢になれば生活範囲は狭くなるし、自分たちの将来だって同じわけです。
値段で飛びついて生活に無理が出ては元も子もありません。
土地はよほどのことがない限り価値が下がりません。資産です。 安いからと買った土地、やっぱり住みにくくて売りに出すと…二束三文にしかならないかも。
とはいえ、ない袖は振れませんね。 いい土地を少しでも安く買えるに越したことはない。
土地の探し方、追加費用の有無を見極める方法、手数料を下げる方法などをお話します。
土地購入にかかる費用
土地を買うときにかかる費用を確認しましょう。
- 土地代(手付金含む)
- 仲介手数料:土地代の3%+6万+消費税
- 登記の司法書士報酬:場合による
- 登録免許税:土地の評価額による
- 印紙代
- (測量、杭打ち費用)
- (追加工事費用)
この中でコスト削減・回避ができるのは「土地代」「仲介手数料」「追加工事費用」の3つ。
※登記を自分ですることも可能かもしれませんが、ほとんどお断りされます。不動産屋も売主も、素人さんに登記を任せたくはないのです。
※固定資産税は1/1に所有権がある人にその年度分が発生します。売買時に按分して負担してほしいと言われるケースもあるようですが、法的な納税義務者は1/1時点の所有者。支払い方はよく話し合いましょう。
【前提】地道な情報収集
情報収集のしかたをおさらい。 そんなの当たり前にやってるよ!と思われたらスミマセン。飛ばしてください。
土地情報は毎日で調べましょう。 ぼーっとしてる間に好物件がなくなったら残念です。 幸いなことにインターネットで検索できる便利なサイトがあります。昼休みとか出勤中とか、空き時間で見る習慣をつけるといいですね。
見ておくべきは 土地情報総合システム 、不動産ジャパン、スーモ。
不動産ジャパン
公益財団法人不動産流通推進センター運営の不動産情報サイト。
土地、戸建て住宅、マンションなど総合的な物件情報が見られます。不動産団体から直接情報が載るので、早いし間違いありません。
ハウスメーカーが独自で不動産情報を持っていることもあります。これは空き時間にチョチョイと、は難しい。ハウスメーカー持ちの土地についてはあとで詳しく。
土地を安く買う3つの秘策
- 「損して得取れ」
- 建築条件付きの土地
- ダメ元でも仲介手数料
この3点を念頭において土地探しをしましょう。 一つずつ具体的に解説しますね。
1、損して得取れ
たまーに「お、安いぞ」という土地が出ます。相場より200万~500万くらい安い。
お得物件チャンス!さっそくゲット…とはいきません。
安いのにはワケがある。 「ワケ」を見逃しては損ですが、理解できれば「得」になるかも。
- 地盤が弱い:地盤補強工事が必要
- 擁壁が古い:新しい擁壁を作る必要がある
- 古家・物がある:解体・除去が必要(土に埋まってたりもする)
- 周囲の道路が狭い:重機が入らず小運搬費がかかる・工期が延びる
- 旗竿地:重機が入らず小運搬費がかかる・日当たりが悪い
- 北側道路:日当たりが悪い
- 坂が多い:凍ると危険、高齢になると辛い
- 事故物件:何か怖い
ざっとあげられる安くなる理由はこのようなもの。 追加工事が必要だったり、周辺環境が影響していたり。 地盤ばかりは掘ってみないとわからないですが (ごく近くでも強度が違ったりする) 。
- なぜ相場より安いのか
- 追加工事は必要か
- 追加工事費用は買い主・売り主どちらが持つか
- 値引きできるか
不動産会社に聞くことは、「相場より安い理由、その対応はどうすべきか」と「その分値引きできないか」。
追加工事が必要で、こちら負担となれば相応の値引きをお願いしたいところ。 もちろん売り主の判断ひとつですが、なかなか売れない物件であれば値引き交渉に応じてもらえる可能性はあります。
売り主が早めに手放したいと考えているほど、値引きはうまくいく可能性が高いです。
ちなみにですが、管理人の場合は事故物件にあたる土地でした。 あまりオソロシイ話ではなかったものの、買ってくれる人が出かったそうで…
追加費用の例
参考までに、管理人宅土地の追加費用 (+土地による建築費増額分) です。
項目 | 費用 |
---|---|
地盤改良工事 | 827,000円 |
土留工事 | 1,670,000円 |
小運搬費用 | 292,000円 |
境界杭入れ・測量代 | 750,000円 |
合計 | 3,539,000円 |
なんと、350万も追加でかかっています! これだけ見るとたまったもんじゃないですが、実はこの土地は相場より700万近く安く購入できています。もともと安めのところを、追加工事の必要性が判明したため更に値引きしてもらいました。 これが「損して得取れ」ですね。
安い土地はデメリットもありますが、把握して対応できれば問題ないのです。
2、建築条件付きの土地
ハウスメーカーの名前付きで売り出す土地を「建築条件付き土地」といいます。「売建住宅」とも。
わかりやすいのは「○○タウン」みたいな新興住宅地。 不動産会社が地域一帯を買って開発、住宅地としてハウスメーカー指定で売り出したりしてますね。
指定のハウスメーカーで建てることを約束するかわり、土地は相場より安くなります。 ハウスメーカーが希望どおりだったり、強いこだわりがなければ十分ありです。
「ここに住みたい」と思えるレベルの土地ならハウスメーカー度外視でも検討。 住みたいと思えるほどの場所なら、よほど嫌いなハウスメーカーじゃなきゃ(笑)価値はあります。 建物は設計しだいで好きなものを作れるし、あとから変えられる。DIYだってできる。 土地はそうはいきませんからね…。
ただ、注意したいのは「本当に自由設計か」。 建築条件付きは自由設計をうたいながら、決まったパターンの設計しか許されないケースがあるようです。 契約前に間取りや建材、住宅設備は自由に選べるのか確認しましょう。できれば口頭じゃなく書面やメールで残しておくほうが安心です。
建築条件付き土地の情報はインターネットの土地情報・直接ハウスメーカーに聞くなどで得られます。 確実なのはハウスメーカーから直接情報をもらうことですね。開発予定があれば教えてもらうこともできます。
タウンライフ家づくり
複数ハウスメーカーに一括で土地探し・資金計画などを相談できるサイト。 住宅展示場に行かなくても希望条件を伝えられます。
ハウスメーカーごとにどんな情報を持っているか・提案力を比べられるので便利。自分でやり取りが把握できる3社くらいに絞るほうが面倒がないです。
3、仲介手数料はダメ元で
最後、仲介手数料。 「安くなったらラッキー」です。土地代の値引き交渉のほうが可能性高い。
仲介手数料が無料または割引されるケースは
- 不動産が持っている土地
- 両手取引の土地
- 仲介手数料が安い不動産会社
不動産屋が持っている土地
まず、不動産屋が持ってる物件を直接買う場合、仲介手数料はかかりません。 そりゃ仲介してないわけですから。
ただ、値引き交渉は難航するかも。 不動産屋が相手=高く売りたい、ですから。よほど不人気な土地ならお安くしてくれるかもしれませんが…。
両手取引の土地
不動産屋は物件の売主・買主から仲介手数料をもらって利益にします。
取引には「両手取引」「片手取引」があり、両手は売主買主どちらも仲介するもの。片手は売主買主どちらかを仲介するものです。
両手取引はどちらからも手数料を取れる。 割引しても利益が出るので、手数料を安くしてもらえる可能性があります。
仲介手数料が安い不動産会社
仲介手数料を割引することで差別化を図っている不動産会社もあります。
不動産流通システムREDS
首都圏エリア (東京、神奈川、千葉、埼玉) に強い会社。
スーモなどで見つかる物件情報を伝えると、売主と買主の間に入ってくれます。両手取引のかたちなら無料、片手取引なら半額からの割引に。必ず安くなるしくみです。
首都圏以外でお探しのときは、「仲介手数料無料 土地 地域名」などで検索するとヒットします。 毎月先着○名限定、などキャンペーンを打っている会社もあるようです。 REDSのような会社はまだ全国には広がっていないようで、今後各地で利用できるようになると助かりますね。
お得な土地探しまとめ
- 損して得取れ:安い土地にはウラがある、ウラを見越して値引き交渉・設計を
- 建築条件付き土地:ハウスメーカー指定でも、いい土地は見逃すな
- 仲介手数料はダメ元で:割引になることも。専門の不動産会社もある
- ※登記関係や固定資産税はしかたない
家を建てたくなったら、とりあえず土地探しをはじめましょう。
スマホを見る時間、5分くらい不動産ページを見るだけで新しい情報が入ってきます。 「今日はこんなのが出たか!」と宝探しをしているみたいで結構楽しいものです。
ビビッとくる土地に出会えたら、家づくりのスタートかもしれません。 いいお家を建てるため、少しでもお得に土地が手に入るといいですね!